在勤及び給与証明書
帰化申請の必要書類、在勤および給与証明書の書き方を説明する女性行政書士のイラスト。
在勤及び給与証明書は申請者(日本に帰化を希望する人)が給料など収入を得ている人が提出する書類です。
この記事ではこの書類の書き方を実際の申請書を用いてご紹介します。
この書類の特徴
在勤証明書の特徴を箇条書きで行政書士が紹介する画像。
この書類は他の帰化申請書とは若干異なります。
対象者
申請者、申請者の配偶者(夫・妻)、生計を一にする親族、場合によっては婚約者。
これは帰化申請の生計要件を満たしてるかの確認書類です。
生計要件は申請者と生計を一にする親族の収入や財産で生活が成り立つことです。
会社からの押印が必要です。
この書類の最大の特徴は、自分で記入するのではなく、勤務先の会社などに記入してもらう必要があります。
勤務先の在籍証明書と給与明細が合体した感じの書類ですので、在籍証明の部分は自分で書くことは不可能です。
在籍証明の会社名の後に押す印鑑は、ゴム印や四角形の代表印は不可になっています。
ここで必要な印鑑は法務局に登録された会社印である必要があります。
要するに市役所に届け出た印鑑の会社バージョンですね。
会社の印鑑は法務局に登録します。
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji11.html
参考までに法務局の印鑑証明のページのリンクを掲載いたします。
会社から印鑑を貰うのがネックになる方も居られます。
場合によっては、勤務先に帰化の事実を伝えないと駄目なケースがあるからです。
大抵は自動車ローンやクレジットカードの審査で使うと言って書いてもらうケースが多いです。
二か所以上から給料を貰っている場合は全部の勤務先の証明書が必要。
掛け持ちでアルバイトをしている方や、複数の会社の役員などをして複数の会社から給料をもらっている場合は、全部の勤め先から在勤及び給与証明書を書いてもらう必要があります。
働いている家族が多かったりすると、結構な枚数が必要になります。
自営業や会社経営者は自己証明
在勤と給与とありますので、自営業者や経営者は対象外と思われがちですが。
実はこれらの職業に就かれている方も在勤及び給与証明書が必要になります。
この場合は自分で自分の在籍と給与の支払いを証明することになります。
変な感じがしますが、ルールですので書類を作る必要があります。
役員報酬がゼロ円でも証明書が必要です。
時折、形だけ取締り役になっている場合などで報酬がゼロというケースの方があります。
この場合も在籍・給与証明書を提出する必要があります。
商業登記簿に役員として登録されている会社は全て証明書が要ります。
特別永住者の方は在勤及び給与証明書の提出が免除されています。
在日韓国人などの特別永住者は、在勤証明書の提出が免除されます。
平成15年から制度が変わりました。(15年以上前の話です。)
その代わりに前月の給与証明書と社員証の提出と提示(法務局の担当官に実物を見せる)必要があります。
また一般の外国人は宣誓がありますが、特別永住者の方にはする必要がありません。
在勤及び給与証明書のサンプル
在勤及び給与証明書の実際の申請書と記入済みの見本画像。
当サイトでは訪問者様へのサービスとして、実際の帰化申請書の書類を無料でダウンロードできるように致しております。
ご自身で申請される場合や、記入を間違えた場合の予備などにご利用ください。
ここから書類の書き方をご説明いたします。
この書面は在籍証明書部分と給与明細部分に分かれます。
在籍証明書の部分
まずは勤務先に所属することを立証する場所から
・住所
在籍を証明される人の住所を記入します。
証明書を発行する会社の所在地ではありませんのでご注意ください。
・氏名、生年月日
被証明者の名前と生年月日を記入します。
氏名はフルネームで、生年月日は日本の元号で記入します。
例を挙げると
氏名:湖哲万
生年月日:昭和55年4月1日生まれ
・職種
被証明者が担当する仕事を記入します。
職種名はできる限り具体的に記入していきます。
例を挙げると、経理事務員、営業職員、トラック運転手、教職員、コックなど
見本ではシステムエンジニアと書きました。
申請者は「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ中国人の設定で記入しています。
職種は現在持っている在集資格(ビザ)と一致するように書いてください。
例えば「技術・人文知識・国際業務」なのに職種が「調理師」だと、在留資格と仕事内容が一致しませんので、法務局から突っ込みだけではすみません。帰化以前に今の就労ビザすらも危うくなります。
・入社日
証明書の会社の入社日を記入します。
注意点は履歴書その1に記入した日付と一致するように書いてください。
あとは在留資格と合わせることも重要です。
関連記事:履歴書その1の書き方
・当社(所属課など)
証明される人が実際に所属する部署の名称を記入します。
例を挙げると
総務部経理課、営業部営業課、製造部品質管理課といった感じに記入します。
見本ではシステム部システム課と記入しています。
・日付
証明書を記入した日を記入します。
見本では「令和元年8月28日」と書いています。
・証明者(会社の代表者など)
日付の下には
・勤務先の所在地
・会社名
・代表者名(社長や代表取締役)
この部分はゴム印でもOKです。
・印
会社名の左部分に「印」と書かれた部分があります。
ここに会社印を押印します。
ここに押す印鑑はゴム印や四角印ではダメで、法務局に登録された会社の印鑑を使います。
給与関係
次は給与関係をご紹介します。
ここの数字は給与明細に書かれた数字を写せばOKです。
注意点は、生計の概要その1に書かれた数字と一致させることです。
生計の概要の収入欄に記入された数字と一致しないと、法務局から質問が飛んできます。
関連記事:生計の概要その1の書き方
帰化申請書作成のポイントは、複数の書類との整合性を確認しながら記入することが大事です。
最後に備考欄は空白でも大丈夫です。