帰化申請の訪問調査と電話調査について始めてのお客さま専用電話番号

帰化申請の訪問調査と電話調査について

 

帰化申請には訪問調査と電話調査がある。

帰化申請の訪問調査と電話調査について帰化の訪問調査
帰化申請の訪問調査の特徴を紹介する女性行政書士の画像。

 

帰化申請には自宅や勤務先に法務局の職員が訪問や電話で実態調査を行う場合があります。
帰化申請の家庭訪問や職場訪問と呼ばれる事も多いです。
この記事では、これらの訪問調査についてご紹介します。

 

法務局の実態調査とは

帰化の面接の後に法務局の職員や警察官(場合によっては)が、申請者の自宅や通学先、もしくは住居の近隣を実地調査することがあります。
目的は申請書の内容の確認や勤務先、通学先への所属確認、申請者の素行などをチェックするために行われます。

 

調査を行う時期

調査は申請者との面接終了後に行われることが多いです。
早い場合は面接の当日に調査が入った事例もあります。

 

 

関連記事:帰化の面接について

 

 

調査方法

実態調査には電話と訪問の2種類に分かれます。

 

・電話で確認する電話調査。
・法務局の担当者が、実際に現地へ訪問する訪問調査。

 

さらに調査は告知されて行う場合と秘密裡に行われるものがあります。

 

・公開調査
・秘密調査

 

そして調査方法は4種類に分類できます。

 

・告知後に電話調査
・告知なしで電話調査
・申請者に告知する訪問調査(現地調査)
・申請者に秘密で行われる現地調査

 

勤務先などへ電話する際は、申請者に告知がないケースが良くあります。

 

電話があった際に担当官の口から
「申請者には法務局から電話があったことを話さないで下さい」
電話口で告げられたいう事例が実際にあります。

 

調査の対象

法務局の実態調査の対象は6つあります。

 

・申請者の自宅
・親族の居宅
・自宅の隣近所(近隣)
・勤務先の会社
・通っている学校
・取引先(申請者や家族が自営業者・会社役員の場合)

 

それぞれ自宅調査、親族調査、近隣調査、勤務先調査、通学先調査、取引先調査と呼ばれます。
または家庭訪問や職場訪問と呼ばれることもあります。

 

実態調査の範囲。

今度は調査の対処を何処まで調べるのかをご紹介します。
一言で言えば申請書に記載した内容は全部、訪問や電話調査が入る可能性があります。

 

許可申請書には、以下の書類に申請者の事を記入します。

 

・履歴書その1・その2
・親族の概要
・生計の概要
・在勤及び給与証明書
・申請者の居宅付近の略図(過去3年分)
・申請者の勤務先付近の略図(過去3年分)
・取引先付近の略図
・事業の概要

 

これらの書類については、当サイトの別記事にてご紹介しております。
こちらも是非ご覧になってください、

 

関連記事:帰化申請書の書き方

 

 

帰化申請書等に記入した情報をもとに、法務局の担当官は実態調査を行います。
申請書の内容に疑問がある場合は、引っ越し前の住居や前の職場、取引先へ現地調査が入る可能性があります。
または申請者の親族の自宅に訪問されたケースもあります。

 

 

法務局は想像以上に申請者の深いところまでチェックすると思って頂いて結構です。


 

法務局が訪問調査、電話調査を行う理由

帰化申請の訪問調査と電話調査について帰化の家庭訪問と職場訪問
帰化申請で法務局が家庭訪問と職場訪問を行う理由を紹介する行政書士のイラスト。

 

帰化申請で誰も自分の家の近所や勤務先、自営業の取引先に調査をされて喜ぶ人は居ないです。
訪問調査を受けた人も「近所付き合いの折り合いが悪くなる」と仰っています。

 

それでも法務局が帰化を希望する人を調査する理由があります。

 

・申請書の答え合わせ
・申請人の素行
・所属の確認
・事業の実態調査
・居宅の存在を確認

 

帰化申請の訪問・電話調査を行う理由は上記の5つになります。
夫々について、ご紹介します。

 

申請書の答え合わせ

面接と実態調査の目的は、申請者が提出してきた書類と実態が一致しているかを確認することです。

 

申請者の素行調査

帰化の条件に素行要件があります。
要は真面目に日本で暮らしていますか?
税金や社会保険などの義務を果たしていますか?
トラブルを起こすような人ではありませんか?
これらを勤務先の上司や同僚、取引先の人間、近隣の住民などに聞き取り調査を行います

 

所属の確認

次は申請書に書かれた勤め先や学校などに所属しているのかを確認します。
所属確認の多くは電話調査で行われることが多いです。
クレジットカードの申し込みをしたら、会社に電話が掛かってくるのと同じようなものです。
この時に「電話があったことは他言無用」と法務局の担当者から告げられることも。
勤務先調査は、ほぼ全員行われると思っておいたほうが良いですね。
場合によっては、転職前の会社も調査の対象に含まれる可能性があります。
過去3年分の勤務先付近の略図を提出しているので。

 

所在の確認

申請者の自宅が申請書通りの住所にあるのかを確認するものです。
訪問調査と訪問しない現地確認の方法が取られます。
特別永住者の自宅を目視で現地確認されるケースも。
(特別永住者は原則的に訪問調査などは行われない事になっていますが。)
申請書の内容に疑問がある場合は、引っ越し前の住所も確認されることも。
申請者の居宅付近の略図を過去3年分提出しているので可能性があります。

 

事業の実態調査

申請者が自営業者や会社経営者・役員の場合に行われる調査です。
履歴書や事業の概要に記載した事業をを本当に行っているのかを法務局の担当者がチェックします。
調査先は事業の取引先に対して行われます。
基本的には電話調査が中心です。

 

しかし取引の中身が複雑な場合や、帰化の面接で面接官の質問に上手く答えられなかった場合は・・・
取引先に訪問して確認することもあります。

 

訪問調査は100%有る訳ではない

帰化申請の訪問調査と電話調査について帰化の家庭訪問と職場訪問
帰化申請の家庭訪問は確率的に50%程度の人が受けること説明する女性行政書士のイラスト。

 

申請者の周囲に事を詳細に調べ上げる実態調査ですが。
すべての人が訪問調査などを受けることは有りません。

 

それでも傾向的に訪問調査を受けやすい属性があるのは事実です。

 

訪問調査を受けやすい人

帰化の居住要件を満たして直ぐに許可申請を行った人。
普通帰化なら日本への居住歴5年を超えた段階。
日本人と結婚して3年経過して、すぐに帰化申請した人。
もう一つは、日本人と結婚していない人や親族に永住者など日本人との繋がりが弱い独身者。
これらの人は、比較的に訪問調査を受けやすい傾向があります。

 

特別永住者は原則的に調査の対象外

在日韓国人や朝鮮籍の特別永住者は、基本的に訪問調査の対象外となっています。
しかしながら帰化審査の過程で申請書に齟齬があったり、面接での回答と申請書の内容に相違がある場合。
または提出した帰化申請書の内容次第では調査があるケースも。
特別永住者だから調査は絶対に行われないとは断言できないのが現実です。

 

勤務先や学校への電話調査は高確率で行われます。

ほぼ90%以上の確率で在籍確認など電話調査が行われると聞きます。
在籍確認の電話は時間もかからず、簡単に出来るからでしょうかね。

 

訪問調査に関するアンケート

1998年から1999年の帰化許可者2000名に向けて行われたアンケートがあります。
名古屋大学の大学院の講師である浅川晃広先生が博士後期課程の研究で行われたものです。
その調査の中に訪問調査の有無についてのアンケート結果があります。
こちらをご紹介します。
今から20年前の調査ですが、今でも唯一の訪問調査の傾向を確認する為の情報です。

国籍 訪問調査あり 訪問調査なし 合計
韓国 20 208 228
朝鮮 7 7
中国 50 41 91
台湾 10 10 20
ブラジル 1 1 2
フィリピン 2 2
ペルー 1 1
イギリス 1 1
カンボジア 2 2
コロンビア 1 1
タイ 1 1
ベトナム 1 1
ボリビア 1 1
ラオス 1   1
合計 83 276 359

 

 

引用元:在日外国人と帰化制度

 

浅川晃広先生のプロフィール

 

http://profs.provost.nagoya-u.ac.jp/view/html/100002701_ja.html

 

 

アンケートから見る訪問調査の傾向

この調査結果を見ると国籍別で訪問調査が行われた確率が異なります。
韓国籍の方は1割程度で、朝鮮籍の方は0%ですね。
この二つの国籍は特別永住者だからだと思われます。
傾向として普通の韓国生まれの韓国人が日本に帰化する人数は少ないです。

 

中国と台湾籍の方は半分が訪問調査を受けたとあります。
またそれ以外の国はある場合とない場合の件数が少なすぎて傾向を読むことは難しいです。

 

アンケートから分かることは、訪問調査があったのは全申請者の50%程度だと言うことです。

 

帰化の訪問調査と電話調査への対策

帰化申請の訪問調査と電話調査について帰化の家庭訪問と職場訪問への対策
特別永住者などの家庭訪問が原則的に行われない人でも、対策は立てる必要があることを紹介する女性行政書士のイラスト。

 

帰化許可者のアンケートや今までの傾向から、法務局に実態調査が必ずしも行われる物ではないと分かります。

 

しかし実態調査への最低限の対策を立てる必要があります。
個人的には訪問調査や取引先調査が100%あることを前提に考えたほうがベターです。
絶対にないと確信できない以上はリスクを減らすことが重症です。
何もなければ、それに越したことは有りませんが、万が一という事もあります。

 

書類の作成段階

申請書と役所から取り寄せた書類で、相違が出ないように作る必要があります。
例えば納税証明書に書かれた所得金額と源泉徴収票、在勤及び給与証明書、生計の概要に書かれた収入金額は全部一致させる必要があります。

 

勤務先や取引先や親族への対応

勤務先と取引先への電話調査はほぼ100%に近い確率で行われます。
場合によっては親族への訪問調査や電話調査も可能性はゼロではありません。

 

可能ならば事前に法務局から調査の電話や訪問があることを伝えておくだけでも大分違います。

 

法務局に配慮をお願いする。

特別永住者の方などの場合は、周囲に国籍を秘して生活する方も少なくありません。
今の法務局はこの様な事情に配慮をした調査を行ってくれますが。
訪問調査や電話調査の結果、近所付き合いや職場の人間関係で折り合いが悪くなる可能性はゼロではありません。
一応こちらからもお願いする方が良いでしょう。

 

 

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