帰化申請の流れ
帰化申請手続きが7つのステップに分かれることを紹介する女性行政書士のイラスト。
この記事は外国籍の方が、日本国籍を取得する帰化手続きの流れをご紹介します。
このコンテンツは図解を多用しており、基本的な事項はイラストを全部見るだけでも分かるように工夫しております。
画像だけでは足りない部分を文書で補足する形です。
ファーストステップは帰化の要件から
一番最初に行うことは、ご自身が帰化できるかを知ることです。
帰化の要件に関するコンテンツをご紹介します。
ご興味がある方は上記のテキストリンクをタップ、クリックしてコンテンツをご覧ください。
帰化の流れのダイジェスト版
帰化申請の流れを一枚の画像にまとめたもの。
帰化申請の全体像を一目で分かるように、スケジュールの一覧表を作成いたしました。
大まかな流れは画像の通りです。
ここから下は、①から⑦を詳しくご紹介いたします。
①法務局にて帰化の事前相談
管轄の法務局の事前相談の内容を紹介する行政書士のイラスト。
帰化申請の手続きは、最初に地域を管轄する法務局に事前相談する所からスタートします。
大阪の管轄法務局の一覧と連絡先はこちらから
http://houmukyoku.moj.go.jp/osaka/table/shikyokutou/all00.html
目的は帰化希望者が、帰化の要件を満たしているかを法務局の担当者がチェックするためです。。
要件を満たしていると手続きに必要な書類を一覧表にして交付されます。
ヒアリングで条件を満たしていると担当者が判断した場合は、下記の冊子と書類を交付されます。
・帰化の手引き
・帰化許可提出書類一覧表
・帰化許可申請書一式
相談を受ける時のポイント
・事前のアポイントメントが必要です。
(帰化申請は原則的に事前予約が必要です。)
・原則として、本人が法務局に出頭します。
・相談時間は1時間から2時間。
・相談時に虚偽や見栄はダメ。
・担当官の質問内容に感情的にならないこと。
大阪と東大阪以外の法務局では事前予約が必要です。
帰化申請の事前相談は、原則的には電話でアポイントメントをとる必要があります。
多くの場合、電話から2週間から3週間、明けた日時を指定されます。
大阪だけのローカルルールが存在します。
大阪法務局と東大阪支局に関しては、アポなしで相談を受けることが可能です。
予約の電話が不要な代わりに、国籍課のカウンターは何時も混雑しており待ち時間がかなりあります。
法務局側も遅くても午後4時までに来庁するようにとアナウンスしています。
本人が法務局に出向く必要があります。
相談は帰化希望者本人と対面で行われます。
代理人が代わりに聞いてくることは出来ません。
(行政書士などの資格者は、一部の法務局で単独で相談を受けることが可能。)
相談は1時間から2時間かかる
相談内容は希望者の収入や家族構成から、学校、会社に関しての事などを中心に質問されます。
回答に虚偽や見栄はダメです。
少しでも許可が有利になると考えて、不利なことを話さなかったり、収入を多めに話すなどは絶対にダメです。
担当官の判断がを狂わせてしまい、帰化で必要な書類を間違えてピックアップされてしまう可能性が高いです。
また虚偽や見栄で言った内容は、後日に提出した書類でバレてしまいます。
相談で話した内容と書類の内容に齟齬があると、素行要件で不利になる可能性が高いです。
法務局の事前相談で話した内容は、記録されて審査の材料に使われます。
自分が要件を満たしているか不安な方は、法務局の前に行政書士に相談されることをお勧めします。
質問内容に感情的になってはいけません。
帰化申請を経験した多くの方は、声を揃えて仰ることがあります。
「法務局の質問が多すぎる」
「関係無いと思うことまで聞いてくる」
「身内などの過去や経歴など、うるさく聞いてくる」
「預金通帳や結婚式のことなど、プライバシーに対して配慮がない」
多くは事前相談や面接での質問内容への疑問や不満です。
役所側も要件を満たしているかを知るために質問してきます。
法律で定められた条件を満たしているのかを知るためには、プライバシーに踏み込んだ内容にならざるを得ないのが現実です。
彼らも仕事なので仕方がなく、行っている部分があります。
これらの質問に対して、感情的な対応をしても意味がありません。
むしろ審査に不利になる可能性が高いです。
法務局の担当官からの質問は淡々と答えることをお勧めします。
指定された書類の作成と収集
事前相談で必要書類の一覧表を貰ったら、次は必要書類の収集と申請書の作成です。
申請書の書き方については、下記のコンテンツをご覧ください。
また書き直し用に無料で申請書類のダウンロードも行っております。
書類の収集
必要書類は多岐の渡ります。
帰化申請で一番大変なのが、必要書類の収集です。
ここでアドバイスを。
・法務局の申請と入管局の手続きは全然違う。
・分からない場合は、専門家や法務局の担当者に相談。
入管局のビザ申請では、ビザ取得に有利になるような書類があれば、追加で提出することが可能です。
法務局の場合は、指定された書類以外は原則的に受け取ってもらえません。
帰化申請の書類は、日常生活で全く見かけないような書面が多いです。
書類の収集で疑問が出た場合は、法務局の担当者に相談することをお勧めします。
詳しく書けませんが自分で判断して、本来なら不要な手続きや書類作成を行ってしまい、時間とお金を無駄にしてしまうケースが意外と多いです。
帰化申請に行政書士を活用すると。
この様な悩みも不要な手続きで無駄な時間を消費することもありません。
回り道して消費した時間とお金は、行政書士への報酬よりも高額になることもあります。
法務局の書類確認
帰化申請書が完成したら、法務局に書類が合っているかを確認してもらう手続きを説明する女性行政書士。
一番大変な帰化申請書類一式が揃ったら、次は法務局のチェックです。
ポイントは以下の通りです。
・書類は持参する。
・事前予約が必要。
・確認には時間がかかる。
・合格ならば、受理(受付)されて、審査が始まる。
・不備がある場合は、②と③の工程を繰り返す。
法務局へ提出する書類は、本人が持参することを要求しています。
郵送やFAXやPDFをメール送信することは出来ないです。
また法務局にチェックしてもらう場合は、事前アポが必要です。
書類が揃った段階で、管轄の法務局に電話しましょう。
法務局の担当者は、数百枚ある書類を1枚1枚チェックして行きます。
その為、確認にはかなりの時間が必要です。
その間にも質問が飛んできますので、申請者は気を抜けません。
(質問への受け答えは、日本語能力の確認も兼ねています。)
提出した書類に問題がなければ、次の段階に進みます。
次は許可申請書の受理(受付)です。
ここまで来て、やっと帰化の審査がスタートです。
ここで必要書類が足りなかったり、内容に不備がある場合、申請書の修正や集めなおしになります。
(日本の役所で取り寄せた書類には有効期限があります。)
法務局の担当者からOKが出るまで、何度も書類作成とチェックを繰り返すことになります。
チェックごとに法務局に書類を持参する必要があります。
中には自己申請で、10回以上もやり直しとチェックを繰り返した方も居られます。
ここで帰化を諦めた方も少なくありません。
帰化申請書の受理(受付)
帰化申請書の受理に関して説明する女性行政書士のイラスト。
法務局の書類チェックで合格すると、次は受理が待っています。
法務局から指定された日時に、合格した書類を持参します。
(そのままチェックから受理を一気に進むことも多いです。)
ポイントは以下の通りです。
・事前予約が必要
・決められた日時に法務局へ出向く
・申請者の家族全員が出頭する
・15歳未満は欠席できる
・担当者の面前で申請書に署名と押印
・同じく宣誓書の読み上げと署名、押印
・受付票が交付される
事前予約が必要な場合も
法務局の確認と同時に受理されるケースが多いですが。
中には確認とは別の日時に予約を入れて持参する必要があります。
受理には申請者の家族全員が出頭
受理する際に、親族の概要などの書類に書かれた人物の本人確認。
写真と申請者が同一であるかを確認されます。
その為に同居家族全員の出席が必要になります。
15歳未満の子供は欠席でOK
15歳未満の未成年は法定代理人(親)が代わりに署名します。
ただし受理までに15歳を超えると、受理式に出席が必要です。
パスポートなどの原本確認
申請書にコピーを提出した書類の原本を担当者に提示します。
銀行の通帳や最終学歴の卒業証書、運転免許証や各種資格の免許証なども原本確認が行われます。
受理されるときには、これらの原本を持参する必要があります。
受理の日にパスポートや免許証などを忘れると・・・
別の日にやり直す事になります。
二度手間になりますので、忘れずに持っていきましょう。
帰化申請書に署名と押印
帰化申請書で空欄にしていた、申請日と署名欄に名前とハンコを押します。
同じく宣誓書にも署名と捺印が必要です。
宣誓書の読み上げ
次に宣誓書と呼ばれる書類を担当官に前で声を出して読み上げていきます。
内容は以下の通りです。
私は、日本国憲法及び法令を守り、定められた義務を履行し、善良な国民となることを誓います。
これが声を出して読めなかった場合は、日本語テストが課される場合があります。
受付票の交付
申請書等にサインと宣誓が終わったら、受理は完了します。
完了の証に名刺大の「受付票」と呼ばれるカードが交付されます。
そこには、受付年月日、受付番号、申請者の氏名、法務局の連絡先が書かれています。
以後は「受付番号」を使って、連絡や事務手続きが進んでいきます。
帰化申請の面接
帰化の面接について説明する行政書士の画像。
書類が受理されて3か月か4か月後に、法務局の面接があります。
ポイントは以下の通りです。
・法務局から電話連絡あり
・家族全員(15歳未満の子供除く)が面接の対象
・面接は1時間前後
・質問内容は申請書の内容や生活について
帰化の面接に関する詳しい内容はこちらから。
ご興味のある方は、ご覧ください
法務局から電話
面接は書類の受理から3か月から4か月後にやってきます。
事前に法務局から、面接の日時が伝えられます。
法務局の電話番号を着信拒否設定しないように気を付けてください。
(稀に登録外の番号を着信拒否して連絡が付かないケースがあります。)
家族全員が面接を受ける
帰化は一人だけが申請者でも、同居の家族が面接を受けることになります。
15歳未満の未成年者は、面接が免除されています。
審査中に15歳になると、面接を受ける必要があります。
面接は1時間前後
面接は個別の時と夫婦そろって面接の場合があります。
個別の場合は申請者から順番に行われます。
面接時間はおよそ1時間程度です。
質問内容
面接で聞かれることは、
・申請書の内容への質問
・帰化の動機
・仕事や学校など日常生活に関すること
などが中心です。
時折、面接時に定期券を提示を求められることがあります。
これは会社や学校の在籍を確認するために行われます。
帰化の審査
帰化の審査の様子を紹介する女性行政書士のイラスト。
帰化申請の受理が完了すると、書類は法務省民事局第5課という部署に送付されます。
帰化の審査は法務省の本省で行われます。
審査の過程で、追加で書類が求められる事があります。
審査は下記の3種類が存在します。
・書類審査
・電話調査
・訪問調査
書類審査は説明は不要だと思いますので、電話調査と訪問調査について説明します。
ただこれらの調査は、100%有るとは限りません。
ない場合も珍しくありません。
電話調査
申請者の勤務先や学校に在籍確認の電話が入ることがあります。
訪問調査
法務局の職員が、実際に自宅など訪問するケースがあります。
審査中に申請者の居宅を訪問する自宅訪問。
友人や知人に対する関係者訪問。
近所の住人に行われる近隣者訪問。
取引先(申請者が自営業・会社経営の場合)への取引先訪問。
これらの訪問は、必ず有るとは限りません。
とある調査では、訪問調査は20%前後というデータがあります。
20年近く前のデータなので、現在は違う数字になると思いますが参考にはなると思います。
例え8割の人には訪問調査が無くても、残りの2割に入る可能性が無いとは言えないです。
訪問調査に対して、対策を立てるのは難しいので、どうすることも出来ないのが現実ですね。
帰化の許可・不許可の通知
帰化申請の審査が終わり、結果の通知に関する説明をする行政書士の画像。
何度も法務局に足を運び、大量の書類を集めて、面接を終えて・・・
許可か不許可かの結果がわかります。
帰化が許可された場合は、官報に名前が載ります。
後日に法務局の担当者から、電話で結果が伝えられます。
この時に法務局に出頭する日時が伝えられます。
これが最後の訪問になります。
この場で区役所の手続きで必要な「身分証明書」などが交付されます。
あとは法務局以外で行う手続きに関する説明があります。
不許可の場合は、法務局から通知が届きます。
帰化の不許可理由や10年間の統計を元に、現在の帰化の傾向をまとめております。
ご興味がある方は、ぜひご覧ください。
これで帰化申請の手続きが終了します。
ここまでお読みいただき有難うございます。