帰化の期間、申請の準備から許可が出るまで
帰化するのに必要な時間を紹介する女性行政書士の画像。
このコンテンツでは日本国籍を取得するのに必要な日時をご紹介します。
まずは結論から申し上げます。
・書類集めなど準備に1か月~3か月。
・申請から面接まで、3か月~4か月。
・面接から結果まで、6か月~8か月。
当サイト管理人の実感では、早い人で10か月前後、平均的には1年前後ですね。
これは行政書士が申請のサポートに入った場合ですので、ご自身で申請した場合は準備期間などで時間がもっと必要になると思います。
後述する帰化許可者の統計でも準備に半年以上、1年未満が最大のボリュームゾーンになっています。
帰化の期間はケースバイケースな部分があります。
上の日数でも10か月から15か月と幅が広くなるのもその為です。
日数の幅が広い理由の一つに、法務局が基準となる審査期間を公表していないことも要因ですね。
法務局内部では、何らかの締め切りや基準があると思われますが、一般には公開されておりません。(法務局に情報公開請求を行っても、不開示または黒塗りだらけの書類が出てきます。)
比較的に審査期間が早くなるケース。
帰化申請のスピードがあがるケースを紹介する行政書士のイラスト。
帰化申請の結果が早くなる傾向をご紹介します。
法務局が指定した書類が少ない人や問題が少ない人(担当官の目から見て)は審査もスピーディになる傾向があります。
例としては
① 先に帰化した親族が居る。
② 申請者が会社員。
③ 申請者の年齢。
①のケースでは、帰化した家族の書類や審査のデータがあるので、効率よく調査が進められるのが理由です。
②と③のケースは、単純に提出書類の枚数です。
帰化の審査は書類を1枚1枚チェックしていくので、 書類の枚数が多ければチェックに時間がかかります。
会社員と個人事業主・会社役員では提出する書類の枚数が全然違います。
複数の事業を経営している様な方だと、会社員の2倍から3倍に必要書類が膨れ上がります。
申請者の年齢ですが、シンプルに書類の枚数の違いです。
年齢が高くなれば、それだけ色々な書類が必要になります。
履歴書の経歴も多くなりますので、その分だけ調査項目が増えます。
帰化の審査が長引きやすいケース
帰化申請の結果が遅くなる場合を紹介する女性行政書士のイラスト。
今後は審査が長期化しやすい傾向について。
先ほどの短期化する場合と逆で提出書類が多い、審査項目が多数ある場合ですね。
あとは申請者にデリケートな問題があり、慎重な審査を行うケースです。
例を挙げますと。
① 申請者や同居家族が自営業、会社経営。
② 申請者の年齢。
③ 審査途中で申請者の状況が大幅に変わった。
①と②は提出書類の枚数ですね。
③は事情変更です。
法務局は審査途中で、海外旅行や家族構成、仕事が変わるなど状況が変化した場合は書類を提出することを義務付けています。
書類自体は郵送で送ることが可能です。
特に注意が必要なのは、提出時の前提が壊れてしまう場合です。
例えば以下のようなものがあります。
・申請人が結婚した。
・離婚した。
・親族が結婚・離婚した。
・申請人など生計を支える家族が失業した。
・転職した。
・審査中に独立や起業した。
・申請人が交通事故を起こした。
上記のような事情が発生すると、審査期間は間違いなく長期化してしまいます。
ほぼゼロからの審査になる可能性が高いです。
場合(交通事故など)によっては、生計要件や素行要件を満たさなくなったとして、担当官から申請の取り下げや不許可になる可能性も否定できなくなります。
審査途中の出国も注意が必要です。
日本の出国歴で帰化の要件が満たさなくなるケースを紹介する行政書士のイラスト。
法務局の審査中に海外旅行や出張、里帰りなど日本から出国できますか?
この質問が良くあります。
法務局に届け出を行えば、海外に行っても問題はありません。
注意点があります。
居住歴がリセットされるほどの長期での出国はアウトです。
・1回の出国で90日。
・年間を通して100日から120日。
これを超えると、帰化の居住要件を満たさなくなる可能性があります。
審査途中の行動も審査の対象に含まれますので、ご注意くださいませ。
許可者の統計から見た帰化までの期間
ここからは実際の帰化申請者の統計からみた日本国籍を取得するまでの期間をご紹介します。
1998年から1999年の間の帰化許可者2000名に行われた学術的なアンケート結果です。
有効な回答数は359名分です。
ここでご紹介する統計は以下の3つです。
・法務局の事前相談から受付までに要した時間。
・受付~審査~結果が出るまでの時間。
・帰化許可者の実感。
調査の結果を表にしたものをご紹介します。
事前相談から受付までに要した時間
半年以内
149人
半年から1年以内
122人
1年から2年以内
68人
2年から3年以内
10人
3年以上
9人
無回答
1人
合計
359人
受付~審査~結果が出るまでの時間
半年以内
60人
半年から1年以内
200人
1年から2年以内
88人
2年から3年以内
7人
3年以上
2人
無回答
2人
合計
359人
帰化許可者の実感
とても長い
70人
長い
174人
短い
99人
非常に短い
13人
無回答
3人
合計
359人
引用元:新幹社『在日外国人と帰化制度』浅川晃広著
著者のプロフィール(科学研究費助成事業データベースより)
URL:https://nrid.nii.ac.jp/ja/nrid/1000080402410/
引用ここまで
事前相談から受付までに要した時間
帰化申請の統計の結果を円グラフにして紹介する女性行政書士の画像。
このデータは帰化の申請準備で掛かった時間の統計です。
149名の方が半年以内に準備ができたとあります。
半年以内に準備が片付いたのが全体の41%です。
次の半年から1年以内の122名を合わせると・・・
大体7割以上の方は1年以内で帰化申請書の準備して、法務局に受理されたことになります。
3番目に多いのが1年から2年以内の18.9%です。
中には3年以上掛かったケースもあります。
管理人が見聞きしたケースでは、16回連続で法務局からやり直しを言い渡された方もおられます。
サイト管理人の実感とは、ズレがあることが分かります。
あとは全体的な傾向として時間が掛かりますね。
帰化の最初の難関は準備段階というのが分かります。
帰化の大変さについて別コンテンツでご紹介しております。
ご興味のある方はご覧ください。
受付から結果が出るまでの時間
法務局の審査で実際にかかった時間の統計を円グラフにして紹介する行政書士のイラスト。
統計データを見る限りでは、法務局の審査は1年以内で終わっている方が多いです。
全体の72%が該当します。
24.5%の人は審査に2年前後掛かったとあります。
9割以上は2年以内で結果が出ていますね。
帰化申請の審査期間は申請者によってバラツキが大きいことがデータ上から読み取れます。
6か月以内に終わるのと、2年以内に終わるのとでは全然違います。
また在日韓国人の方は書類集めに時間がかかり、審査は比較的に早い目に終わる傾向があります。
逆に一般の外国人は、書類集めはスムーズだけど、審査に時間がかかるケースが多いです。
許可者の68%が帰化は時間が掛かると回答しています。
帰化の体験者が、自分の手続きでかかった時間が長いかを調査した結果を円グラフにして紹介する女性行政書士のイラスト。
最後に帰化許可者の実感についてのアンケートです。
全体的に帰化は時間が掛かると仰っております。
全体の68%が長かったと答えています。
残り32%の方は、短かったと回答しています。
大半の人にとって、帰化は手間と時間が掛かると言うことですね。
まとめ
帰化のスタートからゴールまでの平均的な時間は1年前後と管理人の実感とアンケート調査の結果に大きな齟齬はありませんでした。
しかしながら準備期間については、当方のデータとアンケート調査の結果にズレがありました。
あとは帰化の期間は、申請者ごとにバラツキが大きいこともデータ上から分かります。
1年以内で全部片付く人も居れば、3年以上かかる方も一部ですが居られます。
また多くの方が帰化は時間が掛かると感じているようですね。
少しでも帰化を早く行うには
帰化で時間が掛かるのは、申請書類一式の準備と法務局の審査です。
審査は申請者側でコントロールできません。
しかし申請の前段階は、こちら側でもコントロールすることが可能です。
帰化をスピーディーに行うには、提出書類の段取りと法務局での受理が1回か2回で終わらせる必要があります。
効率よく進めたい場合は、帰化の専門家(行政書士)を間に入れることをお勧めします。
ご自身だけで行うよりも、圧倒的に早くなることは間違いありません。
確かに行政書士に依頼するとコストがかかります。
しかしながら、申請準備に半年から1年以上、費やすことを考えると・・・
必ずしも高くつくとは限りません。
むしろ安くつくこともあります。
何度も法務局でやり直しを指示されるストレスかなりのものです。
専門家を入れることで、この様なストレスからも解放されます。