帰化したことを他人にばれない方法はあるか?
帰化した事実を完璧に消すことは出来ないけども、分かり難くする方法があることを説明する女性行政書士のイラスト。
この記事は日本国籍を取得した人が他人に帰化した事が知られない方法について紹介します。
結論から申し上げますと・・・
帰化したことを完全に分からなくする方法はございません。
しかしながら表面的には分かり難くする方法はございます。
そして対処法は以下の2つです。
① 帰化許可後に家族全員で、本籍地を別の場所に移す(転籍手続き)
② 帰化後に一人だけ切り離してしまう(分籍手続き)
①②の方法は帰化の事実が書かれた戸籍を除籍にして、新しい戸籍を編纂する方法です。
本籍地を変更すると、最新の戸籍には身分事項欄に「帰化」の事実は記載されません。
これで表面的には、帰化の事実が分からないようにすることが可能です。
しかしながら古い戸籍を取り寄せるなどすると、帰化したことは分かるようになっています。
圧倒的多数の方は戸籍の読み方に詳しくない事が多いですので、よほどの事がなければ、帰化の事実が発覚することは無いと思います。
(100%保証は出来かねますが。)
家族全員で本籍地を変えるのがベストな方法です。
帰化後に家族全員で本籍地を移動させることで、分かり難くすることが出来ると説明する行政書士の画像。
現実的には①の方法がベストかなと思います。
家族全員で本籍地を動かすのが、一番自然に見えるからです。
戸籍は両親と子供がセットで登録されていますので。
本籍地を動かした理由としては、
引っ越しして、家から本籍地が遠くなって不便になったから。
これが一番ありがちな理由になると思います。
変な理由を作るよりもベタな話のほうが、信頼性が高いと思います。
住民票は最寄りの区役所で取得可能ですが、戸籍謄本は本籍地のある市区町村役場で手続きが必要になります。
戸籍抄本1枚のためだけに、時間を割いて遠方の役所まで出向くのは合理的ではございません。
分籍はリスクが高い方法です。
一人だけ別の戸籍にする分籍は、あらぬ疑いを持たれやすいことを説明する女性行政書士のイラスト。
②の一人だけ戸籍を分離する方法(分籍)は、一般的な行為ではないです。
戸籍を動かして、帰化したことを隠す必要に駆られるのは「結婚」が一番多いです。
婚姻届を提出する際に、戸籍謄本を提出するシチュエーションですね。
基本的に未婚の方は、両親と同じ戸籍に入っているのが普通です。
②の分籍手続きを行ってしまうと、未婚なのに一人だけの戸籍謄本が出てきます。
分籍を行った日付が結婚直前だと・・・
結婚相手は何らかの不信感を抱くでしょう。
戸籍に知られたくない事実が書かれていたのでは?・・・と
そこから追及されて、帰化が発覚するリスクが考えられます。
分籍のリスクを紹介した理由。
どうして使えない方法を紹介したのかと申し上げます。
大阪市の転籍・分籍の手続きのページに両方の事が書かれているからです。
そこには分籍のリスクが書かれていますが、上記のようなリスクは書かれておりません。
(大阪市のサイトには、分籍すると二度と元に戻せないと説明があります。)
転籍と分籍のやり方
本籍地を移動させる方法をご紹介します。
本籍地は日本全国どこでも置くことが出来ます。
例えば皇居に本籍と置いている人も意外と多いです。
ちなみに皇居を本籍にする場合は「東京都千代田区千代田1番」で戸籍謄本は千代田区役所で取得することになります。
日本で本籍地に使われる住所の1位から3位は下記のとおりです。
1位:皇居
2位:大阪城
3位:甲子園球場
関西人はこのような洒落が好きな人が多いですね。
手続きの方法
転籍のやり方は本籍地にしたい区役所に転籍届や分籍届を提出すればOKです。
在留資格の更新や帰化申請に比べると、非常にシンプルな方法です。
参考までに大阪市ウェブサイトを掲載いたします。
https://www.city.osaka.lg.jp/kurashi/category/3008-1-5-0-0-0-0-0-0-0.html
大阪市内に戸籍の移動や分ける場合は、こちらからどうぞ。
手続きのポイント
転籍届は戸籍の筆頭者と配偶者の二人で行う必要があります。
一人が独断で手続することが出来ないようになっています。
あと大阪市の場合は各区役所で届け出を行う必要があります。
梅田・難波・天王寺にあるサービスカウンターでは手続きが出来ませんのでご注意ください。
必要書類は
・転籍届・分籍届
・戸籍謄本(大阪市外から転籍する場合)
・印鑑
あと分籍は一度行うと、やり直しが不可能なので慎重に行ってください。
個人的に分籍はお勧めいたしません。
帰化はどこで、ばれるのか?
帰化した事実が他人に知られる主な場所は以下の通りです。
・戸籍
・帰化後の氏名
他にも有ると思いますが、代表的なのはこの2点です。
戸籍から帰化の事実がばれる
帰化した後に作られた戸籍には身分事項欄に帰化許可が出た日付などが記載されます。
戸籍に書かれた内容が、何等かの手続きをするときに発覚するリスクがあります。
代表的なシーンは婚姻届を出すときですかね。
日本では戸籍謄本を提出する手続きが意外と多いです。
例えば、結婚するとき、パスポートの申請、年金の請求、生命保険の請求や遺言書の作成時、相続手続きですね。
他にも大学や専門学校の入学で必要になる時もあります。
一部の奨学金でも提出資料に要求する所も。
また看護師や宅建士などの国家資格の登録の際にも戸籍謄本は必要です。
(個人的な話だと、行政書士の登録にも戸籍謄本が必要でした。)
あと本来ならダメなのですが、就職先から戸籍謄本を要求されるケースもあります。
提出を拒否することが出来る場合もありますが、入社後のことを考えると難しい面があります。
厚生労働省や大阪労働局でも、公正な採用に関する記事でも十分に配慮することを要求しています。
厚生労働省の採用に関するページを掲載しておきます。
https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/topics/saiyo/saiyo1.htm
ご興味のある方はご覧くださいませ。
まとめ
帰化の事実は戸籍に記載されます。
外国籍から日本国籍を取得したことを隠すには、戸籍から見えなくする必要があります。
知られたくない場合は帰化届を出した後に作成された戸籍を他のところに移すことで、表面的には分からなくすることが可能です。
これは転籍することで、最初の戸籍に書かれた帰化の事実が新しい戸籍には載らないからです。
しかし完璧に事実を消し去ることは出来ませんが、全部の戸籍を調べる等が無ければ発覚しにくいと思います。
帰化を隠す方法としては、一番ポピュラーな方法です。