普通帰化の喪失要件と思想要件

この記事は普通帰化の喪失要件と思想要件について。
帰化の7要件でこの二つはボリュームが少ないので、1記事にまとめてしまいました。

 

内容のボリューム自体は少ないですけども。
母国の国籍によっては、申請者に立ちふさがる大きな壁になることがあります。

 

 

関連記事:普通帰化の要件は7つあります。

 

 

普通帰化の喪失要件

普通帰化の喪失要件と思想要件の解説【帰化申請】帰化の喪失要件
帰化の喪失要件を説明する行政書士のイラストです。

 

ここから普通帰化の喪失要件をご紹介します。
まずは条文から

 

国籍法第5条1項5号

国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によってその国籍を失うこと

 

この要件は日本国籍を取得するには、母国の国籍を喪失または離脱が必要だと言うことです。
目的は重国籍の発生、すなわち二重国籍者を生み出さない為に存在します。

 

この規定は帰化するためには、帰化申請者の母国の法律が

①日本国籍を取得すると自動的に母国の国籍が消滅することを認めている(韓国など)
②帰化する前に、本国の国籍を離脱することが可能である。

 

どちらかの要件を満たさないと日本で帰化できませんよという意味です。

 

日本に帰化する方が多い在日韓国籍の方の場合は、大きな問題になることは少ないです。
理由は大韓民国の法律で他の国へ帰化した場合は韓国の国籍を喪失するとありますので。
実務上は韓国人が帰化した場合は、韓国大使館に国籍離脱の手続きを取ります。
日本の帰化許可を他国の役所が即座に知ることが難しいからです。

 

 

関連記事:韓国人が帰化する時に必要な書類

 

 

兵役義務がある国は要注意です。

韓国などの兵役義務がある国の場合に、喪失要件が厄介な壁として立ちふさがります。
大抵の場合で兵役義務を履行しないと、国籍離脱を認めない国のほうが多いからです。

 

韓国の場合は18歳未満で帰化しないと、兵役義務を果たさないと国籍を離脱できないようになっています。
帰化で兵役義務を逃れることを防ぐのが目的ですね。

 

帰化申請者の母国で兵役義務がある場合は、大使館に問い合わせが必要になります。

 

ちなみに特別永住者の韓国人は兵役義務をクリアしなくても帰化することが可能です。
帰化後に韓国大使館に幾つかの書類を提出する必要がありますが。

 

国籍離脱ができない国

この喪失要件が問題になるのは、他国(日本など)への帰化が国籍喪失の要因にならない国ですね。
国によっては国籍離脱そのものができない国や未成年者の国籍離脱を認めない国などがあります。
例えばアルゼンチンなどは、アルゼンチンで生まれた人は永久に当該国の国籍から離脱できないとアルゼンチン憲法に規定されています。

 

アルゼンチンにある日本大使館に情報が掲載されていましたのでご紹介します。

 

アルゼンチン国で生まれた者は、憲法の規定により生涯アルゼンチン国籍者であり、同国籍を離脱することは認められていません。

 

引用:在アルゼンチン日本大使館のウェブサイト

 

https://www.ar.emb-japan.go.jp/ContenidoJP/04.NacionalidadJP.htm

 

日本国民である父又は母(あるいは父母)の子としてアルゼンチンで生まれた者が日本国籍を選択した場合、二重国籍者となります。

 

アルゼンチンの国籍にご興味がある方は上記のサイトをご覧ください。

 

この様な特殊な事例に対応して、国籍法第5条2項には喪失要件を満たさなくても帰化できる場合を規定してます。

 

国籍法第5条第2項の条文

 

法務大臣は、外国人がその意思にかかわらずその国籍を失うことができない場合において、
日本国民との親族関係又は境遇につき特別の事情があると認めるときは、
その者が前項第五号に掲げる条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。

 

この条文は帰化する場合に喪失要件が満たさない場合でも、特別な事情がある場合には、法務大臣は帰化を許可することができるとあります。
ただ「許可しなければならない」ではなく「許可することができる」になっています。
一種の救済規定ですね。

 

アルゼンチンの事例だと、条文の前半部分が対象になります。
「外国人がその意思にかかわらずその国籍を失うことができない場合」です。

 

ちなみに後半の「境遇につき特別の事情」とは、難民などの人道的な立場から認められるケースです。
ここで言う難民は難民条約で定義された方たちです。

 

帰化の思想要件

普通帰化の喪失要件と思想要件の解説【帰化申請】帰化の思想要件
帰化の思想要件を紹介する女性行政書士のイラスト。

 

別名:不法団体条件と呼ばれるものです。
一言でいえば危険な考えを持っている人には帰化させませんと言うことです。
テロリストとかでなければ、まず問題になる要件ではありません。
この条件は日本に限らず、どこの国の帰化要件に含まれるものです。

 

条文でいうと
国籍法第5条第1項6号

日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、
若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと。

 

日本の公務員試験の試験案内にも登場する条文です。
この条文のモデルは1940年のアメリカ合衆国の国籍法第305条と言われています。

 

 

普通帰化の喪失要件と思想要件の解説【帰化申請】始めてのお客さま専用電話番号

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